9月12日東京新聞の「本音のコラム」で文部科学省次官だった前川喜平氏が「準決勝から決勝へ」と書いているのを読んで私なりの考えを以下に。

3A連合(安倍、麻生、甘利)対KIK連合(河野・石破・小泉)などと面白可笑しく自民党総裁選挙の構図を色分けした解説が報道されています。そしてKIKは3Aによる安倍利権政治の継続に待ったをかける改革勢力であるという分析も。しかし結局どちらの候補も抑止力としての「自衛隊」は絶対必要、アメリカ追随も当たり前、とする人たちです。かつて反原発的発言をしていた河野ワクチン大臣も3Aへの忖度(特に安倍前首相の支持取り付けの為)から原発は当面必要な電力源であり再稼働は続ける、と言っているので結局3AもKIKも似たもの同士です。片や野党サイドの準決勝では先般9月8日にやっと維新と国民民主党を除く野党4党が以下のような共通政策に調印して足並の乱れから一歩前進しました。

共通政策は1憲法に基づく政治の回復(安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法等違憲立法の廃止)沖縄辺野古での新基地建設中止、平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う。核兵器禁止条約の批准 2科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化(コロナ下の生活困窮者への万全な財政支援)3格差と貧困を是正する(消費税減税富裕層の税負担強化)、4地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行(原発のない脱炭素社会の追及自然災害から命とくらしを守る政治の実現・農林水産業への支援を強め、食料安全保障の確保)5ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現(選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法、議員間男女同数化(パリテ)の推進。)6権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する(森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明・日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命・内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事の確立)   2021年9月8日 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

しかし自公与党は早速、伊藤詩織さんに対する強姦の罪でTBSの山口元ワシントン支局長の身柄を確保するための逮捕状をもみ消した警察庁次長の中村格氏を警察トップの警察庁長官に任命する人事を14日の閣議(公明党の大臣も賛成)で決定しました。いつか私がこの記事欄で予測した通りの人事です。確かに野党の共通政策に真相究明、を公約に掲げてはいますが順番は6番目と最後です。現在進行形のお手盛り人事に何も物言えない野党では政権をとっても安倍・菅内閣の数々の不正を暴くことなど到底期待できません。

私が再三書いてきた通り政権交代を実現するには{政権交代がない限り絶対に実現しない}①安倍・菅政権の不正を白日の下に晒して黒塗り文書のすべてを公開すること②強行採決された悪法をすべて廃止すること を野党の共通政策のトップに掲げなければいけません。これを実行すれば有権者の関心は政権交代に対する期待感から一挙に高まって投票率は政権交代に必要な70%を超えるでしょう。9月8日調印したその他の野党の共通政策は政権を取ってから進めても遅くはありません。

自民党・公明党の国会議員の中にも野党4党で調印された共通政策に(隠れて)賛成の議員は山ほどいます。実際は選挙の都合で自民党・公明党から立候補しているだけの実は真っ当な議員が半分以上いますが党議拘束と国会議員の地位を守るために本音を言えないだけなのです。せっかくの共通政策ですが実は長い目で見れば野党が独自の政策として対立軸とするほど独特の政策でもなんでもありません。おまけに天皇制と自衛隊を当然のように容認し日米同盟を公然と認める野党であればなおさら野党といっても一体どこが?となります。

自公政権は利権まみれ嘘まみれの腐敗政権だが野党連合は清廉潔白政党の連合だと言いたいなら、なおさら、それらしく自公政権の数々の悪行を白日の下に晒し断罪する覚悟を決勝戦の公約のトップに掲げて総選挙に臨むべきです。

2021年9月15日 どう転んでも理想実現には程遠い自民党総裁選のことばかりの報道にうんざりして 記

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