本書に対して軍隊を肯定する立場からのコメントは多種多様にありますがたまたまアマゾンのブックレビューで見かけた1読者のコメントがあらかたの批判的人たちの考えを集約しているように思えますので以下に整理してみました。(このような意見の人の中には米軍駐留には反対、日本は独自の軍事力を持つべきという人もいることをつけ加えておきます)
①軍隊を人殺しのための悪の組織と勘違いしているが実は軍隊は外患への対応のために例外的に武装を許可された行政組織である
②国家は国の主権、領土、国民を守る必要があり必要とあれば戦争もするし殺人もするがそれは国を守るための手段であって人殺しが目的ではない
③軍隊は何かあったときの保険、軍事費は保険料、一見無駄に見えるが何かあってからでは遅いから日頃の備えが必要である
④政府が示している安全保障戦略では軍備のみが大切とは言っておらず軍事・外交・経済がともに重要、自国の強化とは軍事力だけでなく軍事、科学、技術、情報その他あらゆるものを総合的に強化することと言っている
⑤日本の軍事費がウナギのぼりと言っているが中国はGDPに関係なく軍事費を膨張させているのに対して日本は防衛予算をGDPの1%内に押さえ込んでいる。政府の公式文書にあたって中国の軍事費との数字の比較などのリサーチをしてから批判すべき
これらに対する回答は本書にちりばめられているのですが、本書を内容を理解しながら読んでいない方、このホームページのお知らせ記事をすべてお読みでない方のために繰り返しになりますが以下手短にまとめます。
1)①②の批判についてまとめて回答
軍隊では外患に対して日本が無傷のまま対応することは物理的・科学的に不可能であることは昨日のこの欄で書いた通りです。手段であれ目的であれ殺人は絶対に許されません。このような意見の持ち主は(国の独立を守るという)目的さえ正しければ殺人も破壊行為も許されると言いたいのだと思います。しかし目的が正当か不当かの判断は誰がするのか?私は死刑制度さえ冤罪が山ほどあるから、の理由ではなく強く反対します。私たち誰もが死を避けられない運命のなかで刑罰としての死刑執行は残虐行為以外の何ものでもありません。まして戦争で殺されるのは大半が無辜の一般市民そしていたいけな子女です。
2)③の批判について回答 いくら高額の保険をかけて軍隊を養っても敵(いるとして)の攻撃を完全に未然に防ぐことは絶対に不可能です。昨日書いたようにいくら最新兵器や最強の軍隊を用意しても同じです。まして世界の嫌われ者である米軍の基地だらけの日本はいくら保険をかけても真っ先に攻撃目標となるでしょう。日頃の備えをすればするほど敵(いるとすれば)は備えを上回るさらなる軍拡、新鋭兵器開発に走るだけです。軍事費が無駄な掛け捨て保険であることは明らかです(第4章124ページ)
3)④の批判についての回答 あらゆるものを総合的に強化する中でしてはいけないのが軍事力の強化です。外交と経済の強化は大賛成ですが軍事力を背後にちらつかせての外交・経済は最悪のやり方です。(第3章109ページ)科学・技術・情報の強化は勿論必要ですがこれが民生用でなく軍事目的のための強化であるなら絶対にいけません。海外で経済活動をする邦人の安心のため背後に日本の軍事力が無いと不安という人もいますが私は15年以上海外でビジネスをしましたが少しも不安など感じませんでした。邦人の万一の際の救出も軍事力ではないジャイロが駆けつけることで充分可能です
4)⑤の批判に対する回答 軍事データを読むときに一番必要なのはデータの背景を知ることです。日本は軍事費をGDP1%に抑えているという時に日本の経済規模を考えることを忘れてはいけません。かつて日本のGDPはEU15か国のGDP総合計にほぼ等しい巨大規模でした。軍事費が領土と国民を守るための費用であるとすれば国土の大きさと人口の大きさを考慮に入れる必要があります。8月16日の私の投稿記事を是非読んでいただきたいものです。かつてニュージーランドを訪れた際に同国の軍隊がわずか1万人弱と聞いて自衛隊の25分の1ではないかと感心してしまいましたが、よく考えたらニュージーランドの人口は日本の25分の1でした。
本書に批判的な読者諸氏の意見は2日間にわたる私の回答で分かる通り一見正しい世間の常識のように見えていて実は日本の平和と逆行する間違った認識に基づいた意見です。ピースアゴラを訪れた若い世代の皆さん、有権者の皆様には“歴史と世界情勢を冷静に見てこれから平和憲法を持っている日本が果たすべき役割を良く考え”次の総選挙では与党〈ヨ党〉自民党、公明党そして癒党(ユ党、癒着政党の略)維新には絶対に投票しないでください。そして多少今は頼り無く見えても野党(ヤ党)候補に投票して前政権の悪行の数々の膿出しを徹底的に行う政権交代が実現するよう必ず投票所に出かけてください。
2021年9月22日 誰が勝っても日本丸の沈没は避けられないダメ自民党総裁候補者への怒りに震え、迫力不足で税金ばらまき競争に巻き込まれそうな野党代表にハラハラしつつ 記
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