31日は政権交代実現を期待しつつ開票状況を見守りましたが結果は予想を大幅に裏切る残念なものでした。しかしこの結果から私たちが受け止めるべき事柄がはっきりしました。東京新聞11月1日の朝刊は有権者が重視した施策は?と題する都内有権者20人に一言ずつ聞いた結果を載せています。与党候補者に投票した10人のうち3人が対中国政策の推進や領土問題解決、改憲を進めて欲しいと期待して投票、対する野党共闘候補者に投票した10人のうち政治改革(自民党の旧悪露見期待)3人の他は暮らし、格差是正、経済対策に集中していました。すなわち与党に投票した3割の人はコチコチの保守の岩盤層と見えます。このことを証明するかのように日本会議や神道政治連盟議員のメンバーはほとんど当選しています。選挙戦の終盤で自民党は世論の逆風に危機感を抱いたのか岸田首相、甘利幹事長などが遊説先で「今度の選挙は政権選択選挙ではなく体制選択選挙です」と演説していました

一般有権者に対してあたかも“野党共闘候補者に投票すると日本は自衛隊を違憲であると言い天皇制に反対している共産党の支配する国になってしまう”と脅しをかける作戦に打って出たのです。確かに自衛隊は違憲の組織であり、自民党もそれを認めているから9条に書き込もうとしているのですが、天皇制は憲法第1章に書き込まれており存在そのものは合憲間違いなしです。しかし私は天皇制は憲法で基本原則として掲げている「国民主権、民主主義の原則」からすると微妙な存在であると本書の中で書いています。共産党は綱領でも天皇制を違憲などとは言っていません。今回の与党のやり方は苦し紛れの選挙民に誤解を与える間違ったやり方です。脅かされて行き場を失った一般庶民は野党共闘候補に投票するのをためらい、結局投票を見送った有権者もいたのか立民などは議席を減らしました。維新の会の議席が4倍近くに増えたのは自民党にお灸を据えようとした保守支持層が似非自民党の維新の会候補者に投票した結果でしょう。連合の芳野友子会長はなんと立民と共産党との閣外協力に異論を差し挟み、選挙の結果の総括でも“多くの労働組合員が投票の行き場を失った“などと野党共闘を非難しています。連合の芳野友子会長は自民党の高市早苗議員と同様、女性タカ派の双璧の様に見え、とても労働者の味方には見えません。この二人の女性を見ていると本書でも書きましたが女性が男社会で頭角を現すため(ガラスの天井を破るため)には男以上にタカ派を演じないといけない実物見本をみている様で気の毒です。

結局与党の不正な脅しによって投票をためらった良識派が投票を控えた中でコチコチの天皇制絶対主義、時代錯誤な保守岩盤層の支持のもと日本会議派はじめ神話主義自民党員候補が票を伸ばす結果になったと私は総括します。いくら政府の御用メディアや電通などが物量作戦で一般市民を洗脳し中国北朝鮮の脅威を宣伝したからと言っても自分自身の慧眼をもって真実を探り非暴力の平和を望む気持ちを選挙で貫徹できなかった我々良識派市民の力不足がこの結果を生んだことに違いありません。全国9条の会などの護憲勢力が専守防衛の自衛隊ならOKなどと誤った半端な態度・主張を一向に改めず運動エネルギーを作り出せなかったことのブーメラン効果ですから反省すべきは私たちです。来年の参議院選挙と再来年にも見込まれる衆議院解散と総選挙に備えて何としても私たちは優柔不断・中途半端な平和主義と決別しなくてはいけません。戦う前から「現実はどうだこうだ」などと敗北主義に陥ってはなりません。選挙を終えた今こそ果敢に非武装中立の正論を掲げて保守武闘派に屈することなく立ち向かい現自公内閣を短命に終わらせる覚悟をあらたにしているところです。

2021年11月2日 来年の参院選挙への覚悟を新たにしつつ 記

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