本日も2日連続で小倉志郎さんの投稿記事です
ー以下小倉志郎さん寄稿文引用ー
広辞苑には「【負けるが勝ち】=強いて争わず、相手に勝ちを譲るのが結局は勝利となる」とある。これは昔からの言い伝えであり、権威ある辞典にも載っているくらいだから、まんざら嘘ではないだろう。しかし、全ての場合に成り立つとは信じられない。成り立つにはそれなりの条件が必要だ。
日本を国防の面で眺めると、この言い伝えが成り立つ条件がそろっている。
- 日本の海岸線に原発という「相手が引き金を握った核兵器」が50基以上も並んでいる。この引き金を引くか否かは相手の意思しだいであり、日本がいくら軍備を増強しても引き金を引く手を止めることはできない。
- 「どこかの国か武装勢力が武力で日本を攻めてきたらどうするか?」という問いがいつも出されるが、可能な答えは次の2つのどちらかである。
- A)武力で防ぐ。すなわち、大なり小なり武力衝突が起きる。相手と日本のどちらが武力的に「勝つ」か「負ける」は事前にはわからない。しかし、相手が原発を武力攻撃する可能性は非常に高くなる。もし攻撃されたら、原発から大量の放射性物質が環境に漏れ出し、日本の国土が半永久的に人が住めなくなるだろう。
- B)武力では一切抵抗しない。すなわち武力的には「負ける」ことになる。相手の軍隊が日本を占領することになるが、原発から大量の放射性物質が漏れ出すことを防ぐことができ、日本の環境の放射能汚染は防ぐことができる。
皆さんにはAとBのどちらの答えが良いかじっくりと考えてほしい。特に、私たちの子々孫々の幸せのためにはどちらが良いか。私個人は、一時的に外国あるいは外部勢力に占領されるという屈辱を経験するかもしれないが、答えBが良いと思う。これこそ、先人たちの知恵「負けるが勝ち」だと思うからだ。
2021年11月16日 記 元東芝原発技術者小倉志郎
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