本日の担当は元東芝原発技術者の小倉さんです。

―以下小倉さんの投稿記事引用―

 今から50数年前の学生時代、私が下宿で暮らしていた頃、隣室の学友が突然「統合失調症(当時は精神分裂症と呼ばれていた)」を発症した。学友の言動がおかしいと気が付いた大家さんが私に助けを求めてきたのだ。学友は夜中に下宿を抜け出して、あらぬ方向へどこまでも歩いて行こうとする。「何がなんだか分からなくなった。どうしたらいいのだろう」と夜空をあおいで学友が言う。会話が成り立たないので、どうしようもなく、実家から父親に来てもらい、父親と一緒にタクシーで学友を精神病院に運び入院させた。幸い病院が近かったので、たびたび見舞いに行った。病んだ精神を治すのはいったいどうすれば良いのか、どの位の時間がかかるのか、全く分からなかったが、彼の容態が大分落ち着いた頃、彼が「自分が精神病だと自分でわかったら、半分は治ったようなものなのだそうだ」と言うのを聞いた。そして、入院してから約1年で彼は学校に戻って来た。今はまったく健常者として家庭を持って暮らしている。

 さて、日本と言う社会を観てみよう。果たして「健常」な状態と言えるだろうか?県民が反対している米軍基地の建設、モリ・カケ問題、首相と桜を観る会の不正会計、憲法違反の軍事力の保持と増強など、数々の悪政を行ってきた与党に主権者である国民が何度選挙をやっても繰り返し政権を握らせる。近くは「オウム真理教」教団によるサリン事件があり、「集団狂気」と呼ばれた。20世紀の前半には日本政府による「15年戦争」という日本全体の「集団狂気」状態があった。日本の「集団狂気」は過去のものか。私は現在も日本は「集団狂気」状態にあると思う。主権者自らが民主的に選んだ権力者が主権者の幸せにならない政治を行っていても、それに対して主権者がブレーキをかけることも、ハンドルを切り替えることもできないのだ。この「集団狂気」という日本社会の「病」を治癒する方法はないのか?私はあると思う。その治癒方法は主権者の一人ひとりが日本の「集団狂気」状態に気が付くことだ。気が付きさえすれば、あとは時間と共に快方に向かい、遠からず完治するだろう。

2021年11月18日 記 小倉志郎

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/