本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

―以下小倉さん寄稿文の引用―

昔から「国破れて山河在り」と言われている。中国の唐時代の詩人・杜甫(712~770)がつくった詩「春望」という詩の冒頭の句だそうだ。詩は、戦争によって唐の都・長安が荒れ果てたけれど、自然は元のままで花は咲き、鳥が鳴いていることを描いている。

1945年8月15日に日本が戦争に負けた時、日本の都市は米軍による空襲によって焼け野原になっていた。その時、日本の人々は、この詩の「国破れて山河在り」から勇気をもらって自然の中で畑をつくり、命をつないだと言われている

さて、これから先、もし日本が戦争に巻き込まれたらどうなるだろうか?戦争に勝とうが、負けようが、いくつかの原発が攻撃されて、日本中が原発から漏れ出した放射能で汚染されているだろう。いくら土地があっても、そこで作る農作物、畜産物は内部被ばくという危険性があり、安心して食べることはできない。山菜もしかり。沿岸で取れる海産物もしかり。すなわち、私たちの命をつないでくれる自然環境が失われる。

そのような悲劇を避ける簡単な方法がある。それは、どんなもっともらしい理由があろうとも「絶対に戦争をしない」ことである。戦争をしたいという政治家がいてもできないようにすること。つまり、戦争の道具=軍隊=を持たないことである。

杜甫の詩とは少し意味は違うが「国破れて山河在り」でいいじゃないか。

2021年11月29日  記 小倉志郎

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