本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

―以下小倉さんの寄稿文引用―

 昨日の午後、コスタリカに学ぶ会の定例勉強会を開いた。小人数の対面形式で、司会者なしで皆対等な関係でざっくばらんに話せるところが特長だ。

 日米安保条約が日本国内で米軍が傍若無人な行動をする根拠になっていることは、これまでわかっているつもりだったが、実は日本の政治にもっと重大な影響を与えていることを改めて知った。即ち、国際条約が日本の憲法よりも優先されることは国際法上の不文律であることを法律に詳しい参加者から教えられたからだ。

 日米安保条約の前文では「個別的又は集団的自衛の固有の権利を有している」ことを確認しているし、第3条には「憲法上の規定に従うこと」を条件としながらも「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力(つまりは武力)維持し発展させる。」と軍備の増強をする約束をしている。国際法上は日本が軍備を持ち、それを増強することは正しいことになってしまう。

 憲法九条を守ろうとする私たちは護憲運動の中で、米軍や自衛隊の存在について、いつも「裁判所が憲法九条に基づいて違憲判決を出す」ことを期待してきたが、裁判所側からすれば、憲法の上位にある日米安保条約が国会で批准されている状況の中では無理な話である。やはり、日本の病根は「日米安保条約」だった。憲法九条を守ろうとするならば同時に日米安保条約を破棄しなければならない。

2021年12月6日 記 小倉志郎

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