本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 私が「原発を並べて自衛戦争はできない」と題する小論文を季刊誌「リプレーザ」に投稿したのは2007年、今から15年前のことだ。

原発について講演を頼まれることが多くなって、抜刷り小冊子をつくり、現在までに5万3千部印刷をした。

また、前坂俊之静岡県立大学名誉教授がご自分のブログ「地球座」に拙文の全文を掲載して下さった。その他、私がネット上で主旨を何度も説明したりしてきた。(このホームページにも全文掲載中)

従って、既に何万人かの人が拙文を読んでくれているはずだが、今までの15年間にまともな批判は一度も聞いたことがない。

原発にしても、戦争にしても、私たちの命と暮らしに大きな影響を与えるものごとなのに、この事態はいったいどうしたことだろう。

 私は自分の35年間の原発関連業務の体験から、膨大な量の放射能を溜め込んだ原発を海岸線に54基も並べている日本において、攻め込んで来た外国軍と自衛のために戦争をすれば原発がどうなるかは簡単に想像がつく。

それを正直に「原発を並べて自衛戦争はできない」と題して書いただけだ。内容の結論もこの題の通りだ。

 ところが、日本政府は原発についてはまるで外国から武力攻撃など無いかのように再稼動を進めようとするし、国の安全保障についてはまるで原発など無いかのように自衛のための軍備増強を進めている。

そして、「原発」と「戦争」の関係についてはどう折り合いをつけるのかまともな説明をしようとしない。

政府のみならず、電力会社も学者や評論家たちも説明しようとしない。

これはもう、原発と戦争の関係について言及することがタブーになっていると言わざるを得ない。

2022年5月7日 記 小倉志郎

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