本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです。

―以下小倉さんの寄稿文の引用ー 

今の日本国憲法前文冒頭に「(前略)、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とあり、さらに第13条には「すべて国民は、個人として尊重される。」と記されている。

このことはとても大事だ。すなわち、主権が国家や政府やまして天皇にあるわけではない。

主権は国民一人ひとりにあるというわけだ。

日本が1945年8月に第二次世界大戦で連合国に対して無条件降伏し、新しい現在の憲法が1947年5月に施行されるまでは、明治憲法の下で主権は天皇にあった。

つまり、日本の社会体制が君主制から民主制になったのはわずか75年前なのだ。

この変化はあまりに大きな変化だから、民主制という新しい制度を主権者である国民が十分に使いこなせていないのが現状と言っても良いだろう。

 この国民が民主制に不慣れであるスキに付け込んで、自民党は憲法の「改正」を企てている。

その密かな狙いは「個人」よりも上位の「権威」を潜り込ませた新しい憲法に変えようとしている。

例えば、「個人」を「人」と書き換えて、国民が一人ひとり独特の個性をもった人間であるという意味合いをぼやかそうとしたり、憲法を守る義務を国会議員や公務員から個人へと変えようとしたりしている。

つまり、国民一人ひとりを主権者から「被支配者」と変えて、政府が国民を支配し易い憲法にしようとしている。

 日常生活の中で幸せを感じることができるのは喜怒哀楽の感情を備えた個人である。

感情の無い政府という組織が国民を支配し易くするような憲法「改正」をさせてはならない。

2022年5月4日 記 小倉志郎

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