もし攻められたらどうする?は護憲派にとって一番答えの難しい質問だ
先日ある平和集会の終了後本書を読み共感したという終戦時に国民学校6年生だった参加者から質問を受けた。
本書第6章(156ページ以降の記述)がそれまでの理詰めの説明から一転して“「非武装平和論」は実はごく当たり前の理論、科学的根拠は不要”と書いていることへの説明を求められた。
著者としては、人間は感性の生き物でもあるから読んでもらいさえすれば自然に納得してもらえるものと考えていた。
本書をまだ読んでいない方には是非読んで感想を聞かせて欲しい。
現代戦争において国民の生命・財産を完全に護る自衛戦争など99.99%あり得ない夢物語だ。
空爆やミサイルを発射しあう戦闘が国民にいかに悲惨な結果をもたらすかウクライナ戦争を見れば一目でわかる。
だから「いったん攻められたらもうどうすることもできない。
だから攻められないようにするしか平和を守る道はない」を国民の共通認識にすべきだ。
これまで中立政策をとってきたフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟申請したことを見て、日本人の中に日米軍事同盟を強化しなくては不安だ、などと早トチリする人がいる。
フィンランドとスウェーデンはロシア帝国、ソ連から侵略を受けた過去を持ちロシアとは陸続きの人口それぞれ550万人前後の人口小国である。
日本は豊臣秀吉以来朝鮮・中国などへの侵略国家だが元寇以降外国から侵略されたことは一度もない。
戦後は陸続きで国境を接する国も無い。
それでもフィンランドと同じように日本も隣国から攻められるかもしれない、などと不安を持つのはもはや被害妄想の世界だ。
しかし心配がまったくないわけではない。
日本の侵略を受けて亡くなった2千万人以上の人々、その遺族は中国、朝鮮半島や東南アジアの多くの国にまだたくさんいる。
日の丸を掲げて進軍してきた日本軍兵士に目の前で家族を強姦・虐殺されるのを目撃した被害者家族がいる。彼らの恨みは世代を超えて消えることはない。だから日本が過去の侵略戦争のかたき討ちをされる不安を持つのは理解できる。
加えて世界に敵を多く持つ米軍基地が日本には200カ所もありこれが狙われる危険は間違いなくあると考えたほうが良い。
それが心配の種ならば日本は真摯に過去の戦争責任に向き合い日米安保条約を破棄して米軍には本国にお引き取り頂けば安心できる。
2022年5月31日 記
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