本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 日本の現憲法が制定されたのは敗戦後のGHQ(General Headquarters=連合国総司令部)による統治時代だ。

司令長官はマッカーサー元帥(米国)。

マッカーサーは日本の統治をする上で、「治安の維持」および「日本の軍事大国復活阻止」の両方を達成するために、日本国民の天皇崇拝の心情の厚さを利用した。

それが新たにできた現憲法の中に「象徴天皇の保持」と「戦争放棄と非武装」という内容となって表れた。

非武装については、マッカーサーの回顧録では「幣原喜重郎の発案」と記されているそうだが、いずれにせよ、マッカーサーの意向に沿った内容である。

そして、天皇戦犯説を強く主張するソ連、中国、オーストラリアなどを含む連合国極東委員会において天皇の処遇に関する議論がもめる前に、上記の日本国憲法の制定を急がせた。

つまり、当時の米国は現憲法の「戦争放棄と非武装」を「象徴天皇保持」とセットにして受け入れたのだ。

 ところが米国がベトナム戦争(1964年、トンキン湾事件~1975年、サイゴン陥落)の後半、米国大統領だったニクソンは「日本の憲法の非武装は間違いだった」と悔やんだ。

ニクソンは自衛隊をベトナム戦争で使いたかったのだろう。

時代が変わり、今はなんと日本の憲法の文言などそっちのけで、自衛隊は米軍の指揮下で共同行動ができるようになってしまった。

もう米政府には日本の憲法など尊重する意志などまったくないのだ。

2022年7月8日 記 小倉志郎

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