本日も昨日の続きを元東芝原発技術者の小倉志郎さんが執筆しますー以下小倉さんの寄稿文の引用ー

日本から遠く離れた、大西洋のスペイン領グランカナリア島に「ヒロシマ・ナガサキ広場」があり、そこには日本の憲法9条を書いた碑がある。

島の人々は憲法9条の内容に憧れて、できたらスペイン憲法の本文にもこの内容が書かれることを望んでいると言う。

 中近東の国家間の武力紛争、あるいは、内戦がつづく地域の人々の間でも日本は憲法9条で「戦争放棄と非武装」をうたっていることが知られている。

即ち、日本は戦争をしない国で、他国に軍隊を送ったりしない国だと。

それが同地域に軍隊を送り武力行使をしてきた欧米諸国に対する人々の憎悪感とは逆に日本に対する親しみ、羨望、あるいは尊敬の念を生んでいた。

その結果、世界一危険な紛争地域の中近東において、そこを仕事や観光で訪れる日本人の安全を守ることにつながった。

イラク戦争の間に武力勢力に捕まった日本のボランティアやジャーナリストも「敵ではない」と殺されずに済んだ。

しかし、自衛隊が米軍の軍事行動を「後方支援」と称してサポートするようになるにつれて、日本人に対する「敵視」が高まり、さらには、2015年9月の安保法制成立によって、米軍と自衛隊の一体化が進んだ結果、日本をアメリカと同様の「敵」であるという見方が広まってしまった。

その具体的な結果がアフガニスタンで人道事業に打ち込んでいた中村哲医師が「日本人であることを確認の上」銃撃により殺されるという悲劇である。

憲法の文言は変わらなくても憲法違反の政府の行動が既に外国の人々に見破られているのだ。

2022年7月9日 記 小倉志郎

お知らせ

本書著者の花岡は7日に1か月余の予定で渡米しました。落ち着き次第ニューヨークなどから記事を送ります。

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