私たちの護憲運動は9条の条文そのままに非武装中立日本を3年以内に実現することを目指している。
予想通りだがこれを非現実的な理想論に過ぎないと一蹴する人たちが相当数いる。
Amazonの本書の書評のトップに掲載されているのが以下に抜粋引用した最低評価1を付けたコメントだ。
―引用―
“いやはや恐れ入った。
本書の主張は素晴らしいが理想論でしかないよね。
現実はやっぱり違う。
今回のウクライナ侵攻で再認識したけど国家間の秩序や治安を守る警察はいないんだな。
結局、世界は力のある国連常任理事国の意向に左右されてしまうんだ。
さて日本はどうするか?少なくともこの本の主張は無いな。
プーチンや習のような指導者にしてみれば「災害救助即応隊だと?武力を自ら放棄してくれるなら大いに結構。
日本との外交もより力ずくで出来るな。
これで極東地域での相手は米国だけだ。
少しは楽になったぞ。」ぐらいにしか思わないだろう“―引用終わりー
ロシアや中国の指導者が日本に対して進めたい力ずく外交の中身は不明だ。
例えば尖閣領有権の主張や北方領土交渉で武力を背景に日本にとって不利な内容を押し付けてくるとでも言いたいのか?
大学時代の講義で今でも印象的なのは某教授の名言だ。
「人間の力でどうしようもできない所与のものがこの世の中に二つある。男女の産み分けと天候だ」と。
これらの所与のものについては与えられた現実として受け入れて我々は対処する以外ない」と。
言い換えればこの二つ以外はすべて自分たちの考えや生き方次第で実現させる強い意思さえ持てばどんな理想でも現実にすることはできると言っておられたのだ。
さて我々ができない事の言い訳によく使う「現実」とは何か?
私が授業で学んだ丸山眞男教授の著作の中に優れた分析と指摘があるので関心ある方はお読みいただきたい。
「現代政治の思想と行動」未来社、六「現実」主義の陥穽(かんせい、(註)落とし穴)171ページ
2022年8月25日 記
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