以下本日の担当小倉志郎さんの寄稿文の引用―
日本政府の要人が「やられたら、やり返すのが当たり前だ」と語った。
この場合は、日本が外国から攻められたら、武力で反撃するのは当然だ、という意味だ。
ここには、国のケンカと個人のケンカの混同がある。
個人のケンカの場合でも「やり返す」のはよろしくないと私は思うが、「やられた」ことへの怒りを抑えきれずに「やり返す」人が無いとは言えない。
そういう人をゼロにすることは不可能だ。
しかし、その様な場合のケンカではお互いの暴力によって生じる被害はほとんどが当事者同士、たまには、傍らにいる人がとばっちりで被害を受けることもあるが、いずれにせよ、被害者はごく少数だ。
国のケンカは戦争である。
戦争を仕掛けるのはどちらかの政府であり、実際に戦うのは軍隊。
日本の場合は自衛隊で、約25万人。
国の人口約1億3万人の約0.2%だ。
0.2%の軍隊のケンカでも被害を受けるのは残りの約99.8%の国民である。
とばっちりで被害を受ける人の割合が個人のケンカとは桁が違う。
即ち、国のケンカは個人のケンカと同列には考えられないのだ。
にもかかわらず、今の日本政府はそれらを同列とするような感覚で戦争のための軍備を増強しようとしている。
私たちは国のケンカと個人のケンカを混同せず、政府の戦争に備えての軍備増強政策に同調してはならない。
2022年10月20日 記 小倉志郎
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