―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 私が生まれた東京都大田区池上には日蓮宗の本門寺という大きなお寺がある。

通った池上小学校と大森四中とも敷地が本門寺の境内と接していたから、本門寺は小・中学時代の遊び場だった。

境内には朝・晩の時を告げる巨大な釣り鐘があった。

近寄って、両手でその釣り鐘を押してもぴくりとも動かなかった。

いつだったか、理科の授業で振り子の共振を習った時に固有周期に合わせて繰り返し押せば、共振して大きく重い釣り鐘も大きく動き出すと聞いた。

しかし、実際に現物での実験はせず仕舞いだった。

 今、15年前に季刊誌「リプレーザ」に投稿した文章のタイトル「原発を並べて自衛戦争はできない」を下手な字で大きく手書きしたプラカードを吊るして毎日一人デモをしている。

このタイトルが日本の常識になれば、軍備は何の役にも立たないことも常識になり、自衛隊を戦闘部隊から災害救助即応隊に改編することも、日米安保条約を破棄して米軍に母国に帰ってもらうことも簡単にできる。

今のところは常識になるには程遠い状態だ。

日々一人デモをしていると、巨大で重い釣り鐘を小指で繰り返し押しているような感じがしているが、うまく日本の世論の「共振点」を見つければ世論も大きく動き出すと信じて、一人デモを続けている。

2022年11月6日 記 小倉志郎

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/