―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 私は「原発は仮想敵が引き金を握った核兵器だ」と何度も述べてきた。

もう少し正確に言えばここで言う「核兵器」は「Dirty Bomb」のことだ。

日本語に訳せば「汚れた爆弾」あるいは「汚す爆弾」だ。

ウクライナ戦争の中で一時ロシアが「ウクライナがDirty Bombを使おうとしている」と警告したことがある。

これはプルトニウムのような放射性物質の粉末、あるいは、溶液を空から散布し、敵の領土を放射能で汚染させて、人間が住めなくさせてしまう兵器ということだ。

プルトニウムの放射能の半減期は2万4千年と言うから、それを散布された国は「半永久的に」国土を失う。

日本語としては「汚す爆弾」がふさわしい。

 日本にある50基以上の原発の炉心にある核燃料および貯蔵プールに保管されている使用済核燃料の内部にはプルトニウムを含む膨大な量の放射性物質が含まれている。

従って、原発が武力攻撃を受けて、放射性物質が環境に漏れ出せば、まさに「汚す爆弾」になるのだ。

運転中の原発なら、小人数のゲリラが携帯可能なミサイルで攻撃すれば簡単にフクシマ並みの事故を起せるし、停止中の原発なら通常爆弾を核燃料貯蔵プールに落とせば「汚す爆弾」になる。

原発が「汚す爆弾」になるのを防ぐには、トマホークを500発買ったところで全く役に立たない。

防ぐ方法は戦争をしないことだけだ。

2022年12月21日 記 小倉志郎

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