―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 Dirty Bomb(汚す爆弾)は核兵器の一種であるが、原爆のように大爆発をして数千度という超高温の熱光線や爆風、および、高レベルの放射線を発するようなことはない。

熱も爆風も、音すらも発生させないがプルトニウムのような低レベルながら超長半減期の放射性物質の微粒子を広い範囲に散布させる。

放射線被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」の2種類ある。

散布された放射性物質の微粒子が大気中にただよい土壌に混入したり、水源の水に混入したりして、呼吸や飲料水、食物を通じて私たちの体内に取り込まれることで体内で被ばくが起こるのは「内部被ばく」だ。

「外部被ばく」は放射性物質が体外にある場合だ。

これは放射性物質と自分との距離を取ったり、放射線が届く場所にいる時間を短縮したり、放射性物質と自分の間に遮蔽物を置いたりして被ばくを防ぐことが可能だ。

「内部被ばく」の場合は被爆を防ぐ方法がない。

体内に入った放射性物質は人間の細胞の内部あるいは外部から細胞を被ばくさせる。

これにより、細胞が死ぬ場合もあれば、傷つけられながらも生き延びる場合もある。

人体を構成する器官の破壊、新陳代謝不能、各種臓器の多様な癌の発生、遺伝子損傷による免疫不全および次世代の先天的疾病・奇形発生など被害は実に多様である。

Dirty Bombによって攻撃されても、人間の五感では攻撃されたことすら気が付くことができないから、なお恐ろしい。

岸田内閣が決定した反撃能力の保有は戦争勃発の危険を身近なものにしたが、ひとたび戦争になれば日本の沿岸に50基以上ある原発がDirty Bombに早変わりすることは先に書いた。

原発を並べて自衛戦争ができない、これだけ確かな理由に共感されたら是非「防衛力強化の無意味・無駄」を是非周囲に広めていただきたい。

2022年12月23日 記 小倉志郎

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