―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 2011年3月11日に発生した東京電力第一福島原発の重大事故の責任を問う刑事裁判の控訴審判決が1月18日に東京高裁(細田啓介裁判長)で出た。

3人の東電幹部全員無罪だと。

東電柏崎刈羽原発が大被害を被った中越沖地震(2007年)から得られた新知見によれば、「将来起き得る最大の地震の大ささも、且つ、その起きる確率もわからない」という結論が2009年2月24日の「安全フォーラム」(原子力安全委員会、文部科学省、経産省原子力安全保安院共催)で出ていたのだから、東電が原発を再稼働させなければ3・11フクシマ重大事故を起さずに済んだのだ。

再稼働を決めた東電幹部に責任があるのは明白だ。

にもかかわらず、被告全員を無罪にした東京高裁は政府に忖度して社会正義に反する判決を出してしまった。

このような類の判決が出ることは今回だけでなく国策にからむ裁判では常態化している。

即ち、行政に対して司法がブレーキ役を放棄している。

しかも、国会も衆参両院で与党が圧倒的多数を占めているために政府の暴走を止められない。

民主制の根幹である「三権分立」がまったく活かされておらず、日本は実質的「独裁国家」になってしまっている。

「民主制」という仮面をかぶっているために、国民にはこの実態が見えにくい。

「独裁国家」を真の民主制国家にするには今の政府を選挙によって下野させねばならない。

脱原発や護憲運動はこれまで続けてきた運動のやり方を反省して、もっと選挙の結果に影響を与える方法に力を注ぐべきだ。

具体的には政府や電力会社に対する抗議行動にとどまらず、不特定多数の国民に直接メッセージを伝え広めることだ。

2023年1月20日 記 小倉志郎

お知らせ

昨日東京新聞夕刊の7面トップに小倉さんの記事が大きく掲載されました。

見出しは「脱原発プラカード バス・電車乗れないの?」です。

関東以外の方は電子版でご覧ください。

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