コスタリカは1949年の憲法で軍隊を廃止した。

農園主であったホセ・フィゲーレスが大統領選の結果を巡る内紛をキッカケとして内戦を起こし1948年政府軍に勝利したことが契機だ。

フィゲーレスは勝利した際に自らの武装を解除し、同時に政府軍の武装も解除することを宣言して内戦が再び起こらないようにした。

内戦の首謀者本人が言い出した究極の内戦根絶策としての非武装の実践だ。

政府が民意を無視する政策を進めることは多々あり国民の間に不満はたまるもの。

選挙だけでは政治を変えられない民衆は抗議行動に出る。

デモや集会など合法的な示威行動であっても政権への脅威と見れば政府は軍隊や警察を使ってこれを抑えこもうとする。

弾圧に抗議する民衆は彼らを相手に武器を取らざる得なくなることもある。

国家が民衆の不満を暴力で抑え込むことさえしなければこうはならない。

 だから国の平和・安寧に必要なのは国民が政府を選択できる自由・公正な選挙(民主主義)の保証と国家が自ら無用の暴力組織を捨てることだ。

警察も国家公認の暴力組織だが市民生活の安全確保上最小限度は必要だ。

ベトコン、パレスティナ、ミャンマーの民衆の武力闘争やシリア、イエメン、ウクライナ(旧ソ連邦内の内戦ともいえる)などの内戦を引き合いに

“貴方たち非武装論者は「民衆が自由と人権を護るために武装蜂起すること」もだめだと言うのか!”

と私たちに反論してくることがある。

そもそも民衆が人間の尊厳を守るために武器を持って蜂起せざるを得なくなるのも政府・国家が力ずくで民衆を弾圧することがその原因だ。

戦争であれ内紛であれ双方に必ずそれぞれの言い分がある。

話し合いで済む紛争をわざわざ人間同志の殺し合いに発展させるおおもと(非武装を貫き通せないことも起こり得る)原点は、国家が公認の暴力組織(軍隊)を持ち、国際社会がそれを是認していることにある。

2023年2月24日 ロシアのウクライナ侵攻1周年に記

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