―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文引用―

 小学校か中学校の生物の時間に「条件反射」を習った。

犬に餌を与える時に必ずベルを鳴らすことを繰り返していると、ベルを鳴らしただけで、餌が無くても犬は涎(唾液)を流すという。

餌が無いのだから、涎を流す必要は無いのだが、ベルの音を聞いただけで反射的に涎を流すという生理現象が生じてしまう。

この条件反射は人間においても起こり得る。

自動車の運転中に信号機の色の切り替わりに応じてアクセルやブレーキを踏む。

いちいち「赤は停止せよという意味だからブレーキを踏まねばならない」などと考えて動作をしていない。

反射的に動作が起きる。

それによってスムースな運転ができる。

しかし、自衛隊の軍事訓練において、標的の人形を狙撃することを繰り返していたら、どんな条件反射が起きるだろう。

前方に仮想敵国の兵士の姿が見えた時、相対する兵士は互いに警戒し合い、武器をいつでも使える用意をする。

日本の場合は陸上の国境が無いから、それは海上の艦船の接近、あるいは、空での航空機の接近という場面で起きる可能性がある。

万一、相手側が弾丸を発射した場合、「攻撃されたら反撃しろ」と教育されている自衛隊員が、相手が弾丸を発射した意図を確かめる間もなく、反射的に撃ち返してしまう可能性が大きい。

これがきっかけで意図しない戦争に突入しかねない。

軍備を持っていなければ、絶対にこんなことは起き得ない。

ウクライナのような地獄を味わいたくなければ、日本は非武装でいるべきだ。

2023年3月3日 記

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