この二人の名前を聞けば皆すぐに冤罪の問題とピンとくると思う。

袴田さんの再審請求が13日、東京高裁で認められた。

かれこれ事件から57年近く経っている。

静岡地裁の訴訟指揮で検察側が提出していなかった5点の衣類のカラー写真やネガなどが開示され袴田さんを真犯人とした証拠に決定的疑義が生まれたという。

無罪が確定すれば捜査側が捏造したともいわれる証拠のおかげで袴田さんは48年も冤罪で拘束されてきたことになる。

2016年に刑事訴訟法が改正され通常の審理では重大事件で弁護側からの請求があれば、検察側に全証拠の一覧表を開示するよう義務付けがされたがこの規定は再審については適用されないままだ。

世間を騒がす重大事件の犯人を逮捕して威信を保ちたい捜査側が弱い立場の容疑者を犯人に仕立て上げる冤罪のケースは狭山事件の石川さんにも当てはまる。

司法判断は法と証拠によってのみ決せられるべきものだが捜査側は公権力の優位な立場で集めた都合の良い証拠だけを提出できる。

対して立場の弱い被告や弁護側は無罪を立証する証拠を集めるのに不利なことは明らかだ。

しかも捜査側が証拠を捏造しているとあっては言語道断だ。

袴田さんの判決に関連してある法務省の幹部は「現時点では今の制度で過不足がない」と冷やかに話し「裁判所が誤った決定をしないという前提には立てない。」

と検察による即時抗告の廃止に慎重な見方を示し、証拠開示の制度化にも否定的だ。(東京新聞3月14日付)

司法の砦である裁判の公正さまで検察が疑っているとしたら正義の最後の砦とは一体何なのか。

大学同級の親しい友人は検察のトップから最高裁の判事になり既に退官した。

裁判官を信用しないとは明日の我が身も信用できないと言っているのに等しい。

「強きをくじき弱きを助ける正義の味方」の裁判官・検事のみなさん、

自民党への忖度や立身のために弱い立場の人々を犠牲にして手柄を競ってはいないか?

是非、法と証拠のみに基づいて「疑わしきは罰せず」を貫いてほしい。

袴田さんを獄中、精神的に苦しめた死刑はなんと言おうと国家による殺人である。

袴田さん裁判を機に廃止すべき野蛮な制度である。

23年3月16日 記

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