―以下本日担当の元東芝原発技術者の小倉志郎さんの寄稿文引用―
動物の中で自殺をするのは人間だけだと聞いている。
動物の中で最も知能が発達している人間が、自ら自分の命を絶つのはなぜか不可解だが、これまでの歴史の中で自殺が絶えることはなかった。
そのような自殺は個人の場合だが、集団の場合にもあり得る。
先の「15年戦争」の末期、日本軍は白旗を上げて降伏をすれば、国際法によって捕虜として保護され命が助かることがわかっているはずなのに太平洋のいたるところで「玉砕」と呼ばれる集団的自殺が行われた。
沖縄では軍から与えられた手榴弾や農具を使った住民たちの「集団自決」まであった。
それらの結果には、生き延びたいという自然な欲望を押さえつける「生きて敵の捕虜になるべからず」という当時の国家的教育も大きく影響した。
さて、今の日本という集団がどこへ向かっているのかを冷静に観察すれば、国家的自殺へ向かっているのは明らかだ。
なぜなら、膨大な量の放射性物質を溜め込んだ原発が50基以上も並んでいて、戦争をすれば環境が放射能汚染で日本人が動物として子どもを産み育てる国土を失って滅びてしまうにもかかわらず、「自衛のためだ」と軍備を増強し、「台湾有事は日本有事だ」といつでも戦争ができるための準備が着々と進められているからだ。
「原発を並べて自衛戦争はできない」というプラカードを吊るして、私はまだまだ一人デモを続けなければならない。
2023年3月21日 記
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