―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文引用―

 言葉を持つ動物は人間だけかと言うと、私にはそうは思えない。

横浜市内の我が家は、三ツ沢公園が近いのでそこからカラスの群が飛んで来る。

彼らの鳴き声を聞いていると、その鳴き声の多彩さから、どうしても仲間同士でコミュニケーションを行っているとしか思えない。

残念ながら、私がカラス語を翻訳できないから何を話しているかわからないだけではないか。

しかし、その言葉を表す文字を持っている動物は間違いなく人間だけだ。

文字の威力はすごい。

人間生活のありとあらゆる分野で文字は大活躍している。

その一つが法律だ。

世の中で人々が仲良く暮らして行くためのルールであり、約束である。

物事の名前、動きや変化を表現したり、それらを修飾する様々な言葉があり、それを組み合わせて文章をつくる。

その頂点にある法律が憲法で、読む人によって異なる解釈をされないように極めて厳密に書かれている。

特に第九条には、国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄し、そのために、陸海空その他の戦力を保持しない、と明記してある。

ところが、日本は数十年も前から自衛隊という戦力を保持してしまっている。

こんな矛盾を、政府・国会・裁判所がそろいもそろって正そうとしていないのが今の日本だ。

折角、言葉と文字という威力ある文明の利器を持ちながら、それを自分たちの幸せを実現するために使いこなせていない。

そうさせているのは他でもない主権者である私たち国民だ。

こんな私たちの背中を見て育っている、まだ選挙権を持たない若者たちがどんな大人になるのか非常に心配でしかたない。

2023年3月29日 記

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