―以下本日担当の元東芝原発技術者の小倉志郎さんの寄稿文引用―

 国際原子力機関(IAEA)と言えば、原発を含む原子力産業を推進する世界的規模の「原子力ムラ」の「奥の院」的存在であり世界的権威を持っている。

そのIAEAのグロッシ事務局長が3月29日、ウクライナ南部のザポロジエ原発を視察した。

グロッシ氏は原発周辺での戦闘行為を懸念し「安全・保護区域」設置を提案してきたが、調整に難航し、今回の訪問では区域設定にこだわらず原発の保護自体に焦点を当てた対策を模索すると。

これはIAEAが「原発を並べて戦争はできない」ことを承知している証拠だ。

換言すれば、私が季刊誌「リプレーザ」2007年夏号に投稿した論考「原発を並べて自衛戦争はできない」(本ホームページのアーカイブ2007年7月1日付にて掲載)

の主張が正しいことを裏付けしてくれている。

もはやこの主張が日本人の常識になるのは時間の問題だろう。

なぜなら、上記のIAEAの態度に加えて、投稿してからの16年間、まともな反論が一つも現れなかったからだ。

この考えが常識化すれば、「できない戦争のための軍備は無駄だ」が常識になり、「自衛隊も米軍も、日本にはいらない!」という花岡しげるさんの著書の主張も常識になる。

そうなれば、自衛隊を軍事組織から災害救助即応隊に編成替えすることもでき、米軍には母国に帰ってもらえるので米軍基地も不要となる。

日本を、憲法を遵守するまともな国家にするのは実に簡単なことなのだ。

IAEAという世界的権威の考えに従うだけで良いのだから。

2023年3月31日 記

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