―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文引用―

先月末に坂本龍一さんが亡くなり、芸術分野での業績や平和運動・脱原発運動などの実践を評価して、多くの人々が追悼の言葉を表明している。

その表現は多彩だが、共通している代表的な言葉は「坂本さんの遺志を継ごう」というものだ。

しかし、「遺志」の中身は具体的には多様で一つではない。

その中から平和運動における坂本さんの遺志を取り上げたい。

身近な若者から「日本が外国から攻められたらどうしますか?」と問われた際に、坂本さんは次のように答えたそうだ。

「攻められたらどうするかを考えるのではなく、攻められないように外交的努力をすべきだ」と。

質問した若者はこれに納得してしまったのだが、外交的努力をしても妥協案が見つからず、遂に攻められる可能性もある。

ウクライナ戦争前にも8年にもわたる外交活動があったにも関わらずロシア軍侵攻が始まってしまった。

外国から武力侵攻があった時にどうするか?という問いに坂本さんは答えていない。

言及していないから坂本さんが答えを持っていたのか否かも不明だ。

ウクライナ戦争では、ロシアに対して武力で反撃をした結果、ウクライナ国民は現在地獄のような苦しみを味わっている。

日本が外国から攻められた場合に対する私の考えは、武力で反撃せず、直ちに国連の代表を招き、攻め込んだ国の行為の正統性を国連の場で裁いてもらうことだ。

それを確実に実行するためには、日本は憲法第九条の文言通りに非武装を貫かねばならない。

それが、私たちの命と汚染されない自然環境を守る最も確実な方法だ。

それこそが坂本さんの言外の遺志を継ぐことになるだろう。

2023年4月8日 記

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