戦後78年、政治家のレベルが落ちていると思うのは私だけであろうか。

世襲政治家が増え続け知名度だけで親のスネカジリでも国会議員になり閣僚、総理にまでなれる。

自民党議員にもかつては官僚経験者など実務家が多かった。

最近は当選回数によって大臣ポストが回ってくることから若いうちに立候補し当選回数を競う。

知名度を持つ世襲や芸能人などが絶対有利だ。

しかし、自民党のボンクラ世襲やタレント、野党と言いつつ実は与党の国民や維新などのトンデモ候補を当選させたのは他でもない私達である。

私たちも愚民化したと言われて仕方がない。

一方で公務員の志願者も減る一方らしい。

国会議員に手足のように使われ志と違う政策の立案に加担させられる。

不勉強な議員の国会答弁の原稿書きに深夜まで追われる毎日。

かつて大蔵省(現財務省)の友人が毎晩帰宅できず「今日もホテルおおくら(大蔵)」などと冗談交じりに嘆いていた。

しかし戦争経験者が大勢いたころの公務員は今より志の高い人物が多かったように思う。

直言居士として知られる元通産次官佐橋滋(さはし しげる、1913年- 1993年)は生前「戦争で解決せねばならぬほどの目的が、この世に果たして存在するか」と論文で書いた。

彼は城山三郎の名著「官僚たちの夏」の主人公と言われている。

佐橋は1937年商工省(現経産省)に入り8か月後に召集を受けて4年間兵役に就いた経験を持つ高級官僚だが最後まで自衛隊違憲論者であった。

佐橋滋と面談した遠藤三郎元陸軍中将について佐橋は「わざわざ訪ねて来られた遠藤さんは“官僚にもこんな奴がいたのか”とびっくりされたがこっちも驚いたよ。元将軍にあんな人がいるとは知らなかったから」と書いている。

彼らの直言こそ戦争を知らずに戦争準備に余念のない自公世襲政治家や維新などの若者政治家に学ばせなければならない。(文中敬称略)

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2023年6月10日 記

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