―以下本日担当小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 6月14日の朝、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で射撃訓練中の自衛官候補生(18歳)が教官(52歳)を含む3人の隊員に自動小銃を発砲し、教官と隊員の2人が死亡、隊員1人重傷という事件が起きた。

早速、記者会見で自衛隊幹部が謝罪をすると同時に、「徹底的に原因を調査し、二度と同じような事件が起きないように努める」と決意を述べていた。

その中で幹部は「再発防止のためには(銃を持たせる)新人の心理を把握することが大事だ」とも述べた。

翌朝の東京新聞によれば、新人が教官に叱られた直後に事件が起きたとある。

幹部は、撃たれた教官が新人の心理を把握できていなかったことが原因である可能性を示唆している。

もし、そんなことが原因だとしたら、同様な事件の再発防止は不可能だ。

なぜなら、新人に限らず、人間の心理、とりわけ感情の動きなど完全に把握することなど不可能だからだ。

どれほどAI(人工頭脳)が進歩しようと無理だ。

しかし、この幹部の言葉には狡猾なトリックがある。

それは、「自動小銃の存在」が事件の原因の一つであることを隠蔽する効果を持っているからだ。

もし、自動小銃がそこに無ければ、殺人という事件は絶対に起こり得なかった。

これを国家レベルに適用してみれば、「軍隊の存在」が戦争という大量殺人行為を起こす原因になるということだ。

軍隊が存在していなければ絶対に戦争は起きない。

今回の事件を「心理」の問題だけに矮小化してはいけない。

2023年6月17日 記

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/