―以下本日担当、元東芝原発技術者の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 3・11フクシマ原発事故は発生から既に12年4か月余りの時が流れたが、いつ終息するか全く見当がつかない。

事故前は年間の被ばく線量が1ミリシーベルトを超える地域は放射線管理区域とされて、一般市民は住むことができなかったが、「非常事態宣言」が出された例外的な事態だからと年間20ミリシーベルト未満の地域には住民に帰還することを政府や自治体が薦めている。

そして、駅舎・町役場・道路など目に見えるものが新築されたり、整備され、それをあたかも「復興」が進んでいるかのごとくマスメディアが頻繁に報じている。

「復興」とは、人々の暮らしや社会活動が再び盛んになることだそうだが、居住地域、田畑、牧場、森林、山岳など広大な地域が放射能で汚染されており、この汚染がゼロになり元通りの環境になることは永久にあり得ない。

半減期が万年オーダーの放射能が含まれているし、面積の7割を超える森林・山岳地帯の除染など不可能だし、現に予定もされていない。

風が吹けば、森林・山岳地帯から放射性のチリが居住地域や田畑に運ばれてくる。

だから「復興」は不可能なのだ。

できない「復興」をできるかのごとく宣伝しているのが今の政府と自治体だ。

こういう宣伝に騙されてはいけない。

2023年7月25日 記

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