―以下元東芝原発技術者小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 DVとはDomestic Violenceの頭文字をとった略語で直訳では「配偶者間暴力」だが、日本では「家庭内暴力」もDVと表現されることがある。

要するに、親しい関係にある夫婦や家族の中で強者が弱者に暴力を振るうことだ。

弱者を保護するために「DV防止法」ができてはいるが、プライベートな関係の中で起きる暴力沙汰なので、予防することは難しい。

実は、プライベートではなく公の場で起きている暴力沙汰がある。

それは8月24日に実施が始まった東電福島第一原発における「汚染水海洋放出」だ。

「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする漁業者との約束を破り、国内のみならず国外からの反対の声にも耳を傾けずの強行である。

とりわけ、太平洋の小さな島国は海産物が生命線であり、彼らの反対の声は悲鳴のように聞こえる。

日本政府という強者が国民という弱者、及び、太平洋上の小国をいじめている。

世界中の国々が注視する中で、日本政府は弱者いじめを実行し始めたのだ。

これは規模の大きなDVと言って良い。

日本は非民主的で倫理観の低い国だという印象を世界中に与えただろう。

それ以上に、こんな露骨ないじめを首相が率先して行うのを目撃した子どもたちがどんな影響を受け、彼らが大人になる頃に日本はどんな国になるか、とても心配だ。

汚染水海洋放出は直ちに止めねばならない。

2023年8月26日 記

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