―以下元東芝原発技術者小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 つい無駄な物を買ってしまった時に「衝動買いしてしまった」などと言う。

その結果、家計に余裕がなくなって、家族に必要なものを買えなくなって困ることになる。

同じ衝動的行為でも、「相手は誰でも良かった」などという通り魔殺人などは絶対に防がねばならない。

これらは個人の衝動だが、国家や企業にも衝動的行為がある。

現実に今起きている福島第一原発からの汚染水海洋放出などはその最たるものだ。

汚染水貯蔵タンクの数が時間とともに増えて、タンク増設の場所確保に苦慮した東電・政府は安易な海洋放出を選択した。

陸上保管の現実的な方法があるにもかかわらず、工事が簡単で工事費が小さいということで飛びついたのだが、放射能汚染を海洋に広げるという一番大きなデメリットを無視してしまった。

陸上保管はそれより工事が大規模で費用も大きくともこのデメリットが無い。

小さなメリットに目がくらみ、大きなデメリットを生むという、まさに先を読まない「衝動的選択」だ。

いくら低レベルとは言え、放射能汚染の影響にこれ以下なら安全という閾値が無いのだから、太平洋の放射能汚染による被害はどこまで広がるか想像を絶する。

しかも、一度放出した放射性物質を太平洋から回収することは不可能だから、既に具体的に提案されている陸上保管に大至急方針変更し、放出は中止すべきだ。

2023年9月13日 記

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