―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 1945年に第二次世界大戦が終わった直後からいわゆる「冷戦」が始まった。

アメリカを盟主とする資本主義諸国とソ連を盟主とする共産主義諸国の間の勢力争いのことだ。

実際に武力を使っての全面的戦争ではないが、地球規模の軍事的対立が、ソ連が崩壊した1991年まで半世紀近く続いた。

その間、両勢力圏の間に境界線が引かれ、双方が自分たちの勢力圏を拡大しようとせめぎ合ってきた。

世界一の経済力と軍事力を持っていたアメリカは世界中に軍事基地を持ち自らの勢力圏を維持すると共に、同時に自国内の経済システムを、軍需産業中心とするものにしてしまった。

ソ連は15の独立国家に分裂して中心的ロシアは自由主義経済を採用、共産中国も、自由主義経済を否定しない体制に変わった。

同じ経済システムを認め合う関係ができたのだから、軍事的対立を止め、平和的関係を築いて行けば良いのだが、現実はそうはならなかった。

ヨーロッパではNATOが勢力圏を広げロシアに直接接触するところまで境界線を東進させようとし、極東ではアメリカが中国を包囲する軍事的境界線を築こうとしている。

ロシアと中国を包囲する軍事的境界線は何のためか?

決してアメリカの安全のためではない。

ロシアも中国も自由主義経済システムを否定していないのだから。

残る包囲の目的はアメリカの軍需産業が継続的に利益を確保することだ。

こんな不純な動機のために、日本が包囲網づくりに協力する必要はない。

2023年9月25日 記

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