今日は非武装中立は休題して金融・経済とエコ社会を話題にする。
急激なインフレの中、円安が物価高の原因になっているから何とか是正して欲しい、の声が大きい。
日米の金利差が円安の原因であるから日本銀行は金利を引き上げるべきと言う。
しかし20年以上前からずっと1ドル150円時代の再来を予測していた私は必ずしも賛成しない。
私は今こそ海外に逃避した日本の製造業の生産拠点を日本に呼び戻す好機と考えている。
今の円高は1980年代に自動車と繊維製品の対日輸入超過による貿易収支の赤字に悩むアメリカの円安タタキから始まった。
今に続く米国追随の自民党政権(当時)がアメリカの圧力に屈して円高を容認した結果一時1ドル70円台まで高くなった。
当時、私は資産規模世界一だったDKBのニューヨーク支店に勤務して米国でこの推移を見守っていた。
その結果、多くの日本企業が競争力を失い人件費の安い海外に工場を移転して国内の産業空洞化が進んだ。
そして日本の農産物、酪農製品は競争力を失い安い海外産の輸入により日本の農業は衰退、食料自給率は38%まで下がった。
1ドル150円の今こそ農産物・酪農品、生育に必要な肥料・飼料の日本国産シェアーを取り戻す好機だ。
人手不足は大規模災害が起きない限り50万人の災害救助即応隊員ジャイロ(今は自衛隊員)の支援で補える。
食料自給率100%は経済安全保障の根幹だ。
一般製品の国産化復活により地方の過疎化にも歯止めをかけられる。
円安で価格上昇となる石油の輸入を減らし脱石油を進めるチャンスでもある。
石川 英輔著「2050年は江戸時代」に書かれた循環型経済を理想的エコ社会と考える私は円安をチャンスととらえている。
2023年10月21日 記
告知
お陰様で昨日、売れ行き好調により新版の3刷り(第3版)が出版されました。
内容は第2版と変わりません。
\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/