―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
昨日の東京新聞の第一面トップに、能登半島地震について「膨らむ被害 全容見えず」という記事が載った。
道路が寸断されてまだ孤立している集落がいくつもあるのだから、被害の全容が見えるには時間がかかるのが当然だ。
しかし、何日か、何週間か経てば遠からず全容がわかるだろう。
ほぼ同時に発生した羽田空港での飛行機同士の衝突事故については被害の全容は既にある程度わかっているだろう。
ところが、事故発生から既に12年以上経ったにもかかわらず全容が見えないのが3・11フクシマ原発事故である。
私が所属する某脱原発運動の会と東京電力本店との間でほぼ2か月に1度の対話会を20年以上も続けている。
3・11事故の被害全容について、東電は「被害総額」をどのくらいと予想しているか質問したことがある。
回答は「今は予想していない。
いずれわかるだろう」だった。
事故が起きれば被害額を予想するのが普通だが「予想していない」とは一見不真面目かつ非常識な回答だが、実はとても正直な回答なのだ。
なぜなら、3・11事故は環境の放射能汚染がほぼ永久に続くので終息できない。
時間の経過とともに新たな被害が生まれ続けるから、被害総額は増え続け「被害総額」を予想できないのだ。
換言すれば、「被害総額は無限大」とも言える。
即ち、放射能を環境に撒き散らす事故の可能性を持つ原発利用は止めるしかない。
2024年1月10日 記
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