―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
軍備必要論者は、憲法第9条に戦争放棄・武力不保持が書いてあることを認めながら、「他国から攻められたら、国際的な救援軍が来るまでは、自国の軍隊で対抗することが国連憲章でも認められている」と自衛隊という武力の保持を是認する。
国連憲章という国際法の一つを我が国の憲法より優先させようと言うのだ。即ち、攻められたら自衛のために戦争も辞さない、ということだ。
一方、非武装論者は「国際法では、たとえ軍人でも白旗を上げて戦闘の意思を放棄した人を攻撃したり、非武装の地域を攻撃することを禁じられている。
だから、憲法第9条の通り戦争放棄・武力不保持で良い」と主張する。
両者ともに国際法を掲げながら正反対の主張をしている。
国際法と言っても色々な内容があって、様々な規定があり、すべての規定に整合性があるわけではなく、論者が別々の部分を取り出して議論しても合意に達するわけがない。
こういう議論をしばしば「空中戦」と呼んでいる。
両者が、戦争などという殺し合いの地獄を国民が味わうことを防ぎたいという共通の目標を持っているなら、「武装と非武装のどちらが戦争を防ぐことができるか」ということに問題を絞って議論すれば良いのだ。
それが「地に足が着いた議論」と言うものだ。
2024年2月7日 記
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