―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 「隣」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?

「隣人」、「隣家」、「隣席」。

これらは隣り合った個人に対して使われる。

「隣国」となると国家同士の関係だ。

個人と国家では同じ「隣」でも意味合いがかなり異なり、この違いは重要だ。

20年も一緒に護憲運動をしている仲間から「憲法9条を守り非武装が良いと言うと『攻められたらどうする?』と問われてうまく反論できない。」と言われることがある。

外出時に偶々隣り合わせた見知らぬ個人が「通り魔」として襲ってきた時のことを想像すれば、護身用に何か武器を持っていたくなるだろう。

しかし、町内のお隣同士で50年も顔を見ながら暮らしている隣人が突然襲ってくることを心配する人はいないだろう。

日本のお隣の朝鮮半島の国、中国、ロシアは何千年も前から隣同士だったのだ。

それらの国々が突然「通り魔」的国家になって日本を攻めて来るわけがない。

過去の長い相互交流の歴史がある。

地理的に国家が移動することも無く、これからも交流の新たな歴史が続くことは自明だ。

だとすれば、「攻められたらどうする?」などという問いは全く非現実的な詭弁だ。

もし、隣国との戦争を避けたいと思うならば、仲良く共存共栄できるような交流のし方をすれば良いだけの話だ。

そのために最も有効なのが、日本が憲法9条を守って非武装を実践することだ。

2024年3月26日 記

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