―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」と良く言われるが、言うは易く実行し難い。

佐々木小次郎と宮本武蔵の果し合いのような個人の闘いならば本人たちが迷うことは無い。

集団同士の場合でも戦国大名の戦(いくさ)ならはっきりしている。

武田信玄と上杉謙信をそれぞれ頭にいただく軍勢が互いに敵と味方が保持する武力を探り合うことだ。

さて、今の日本で護憲派が直面している闘いで「敵を知る」ことが本当に行われているか、はなはだ疑わしいと私は感じている。

「我々国民は憲法改悪を許さないぞ~!」のシュプレッヒコールを聞いていると、「自民・公明政府vs私たち国民」の闘い、即ち、政府が敵のように聞こえるではないか。

大規模な集会デモで護憲の声を上げようと、その声には法的拘束力はない。

次の選挙でまた与党が大勝して自民・公明政権が続いてきたのが現実だ。

現政権を支えているのは「改憲派国民」「無関心な国民」だ。

今のように野党が分裂状態で低投票率の状態が続けば、「改憲派」が有権者の3割いれば、小選挙区比例代表並立制選挙では与党が圧倒的に有利だ。

選挙の結果は法的拘束力がある。

真の闘いは「改憲派」「無関心層」「護憲派」の間の闘い、言わば国民の中での「内戦」状態だ。

街を歩いている人々の姿を見ても、誰がどの派か無関心層かは見分けがつかない。

護憲派は、真の敵はそういう姿の見えない主権者であることを肝に銘じて闘うべきだ。

2024年5月11日 記

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