昨日の敗戦記念日には例年通り靖国神社参拝客が全国から集まり自民党の現職大臣や参政党のなり立て国会議員なども参拝したとの報道がありました。
私はコスタリカに学ぶ会の例会に出席し夜は有楽町マリオンで特攻隊ミュージカル「流れる雲よ」を鑑賞しました。
舞台美術の増山麗奈さんの知人からの紹介です。
開場前のロビーは普段見慣れないタイプの観客も多くほぼ満員状態。
ミュージカルは鹿児島の(恐らく)鹿屋海軍基地から出撃する若い特攻隊員の出撃前の隊内の様子から始まりいくつかのエピソードが演じられました。
10代の若者も含む隊員が死を前にして国を思う気持ちから家族への思いを断ち切る美しい自己犠牲の姿を25名ほどの出演者が熱演しました。
私の後部座席のご婦人たちのすすり泣きの音が気になるほどでミュージカルの物語は観客の胸を打っている様子。
しかし普段は涙もろい私ですが全く涙は出ませんでした。
特攻隊員の犠牲者は海軍(主に鹿屋から)陸軍(主に知覧から)航空隊から約4000人とされています。
戦局の悪化から人命を捨てて敵に体当たりする神風特攻隊の生みの親の一人、海軍中将だった大西瀧司郎〔海兵40期〕は敗戦の翌日(80年前の今日)多くの未来ある若者4000人ほどを死なせた責任をとって自決しました。
天皇のために命を惜しまず敵の戦車や軍艦に体当たりする皇軍(日本軍)は米兵からは狂気の集団と見られました。
ミュージカルは若き特攻隊員を今の平和な日本を作ってくれた礎であり彼らは感謝と尊敬の対象でしかない、と描いているミュージカルです。
正に昨日靖国神社に参拝した高市早苗議員や小泉進次郎農相などと同じ気持ちです。
舞台のフィナーレはバックに私も子供の頃よく歌った「海ゆかば(歌詞は以下の通り)」の軍歌が流れる中、犠牲となった特攻隊員の霊に出演者全員が舞台衣装のままで観客にお尻を向けて尊崇の念から献花する場面です。
海行かば 水漬く屍
山行かば 草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
かへりみはせじ
アメリカ占領軍が天皇制を残す代わり絶対無くさなくてはと考えたのが天皇制教育を叩き込まれて狂気と言われた旧日本軍・皇軍でした。
日本の保守派にはこの両方を戦前並に復活することが悲願なのです。
戦争を絶対に美化してはなりません。
ミュージカルの中のセリフには当時の言葉であるとは言え聞き捨てならない表現、例えば死ぬを、散華と表現、が再三出てきました。
このミュージカルを観て若者の悲劇に同情する瞬間はあるとしても天皇制、愛国主義、軍国主義復活は絶対ダメと考える観衆はまず生まれないでしょう。
我々は、しかしこのミュージカルを見て嗚咽していたご婦人は我々の周りにたくさんいる普通の人たちであることも忘れてはならないと思います。
大西中将の自決80周年に、彼(女)らは何を思うのかな?と考えました。
2025年8月16日 記
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