―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 1年7カ月前、本HPに、横浜駅近傍の大手書店の国防・安全保障・地政学関係の棚に並んだ本を調べた結果について投稿したことがある。

「日本の海岸線に50基以上も並んだ原発は、仮想敵が引き金を握る核兵器だ」というのが私の持論なので、その点に関して、著者たちがどんな記述をしているかを知りたかったのだが、その時は原発に言及した本が一冊も見当たらなかった。

その4か月後の2022年2月24日にウクライナ戦争が勃発し、ロシア軍がウクライナの原発を占拠したことが大きくニュースで取り上げられた。

原発が直接破壊されたり、電源を断たれたりして、過酷事故が起き、チェルノブイリやフクシマのような事故になるのではないかと世界中が固唾を飲んで注目する事態になった。

国際原子力機関(IAEA)は原発周辺を非戦闘区域にすべきという提案をしたが、ウクライナもロシアも互いに相談する気はなく、激しい戦闘が続いている。

つい最近、久しぶりに同じ書店に立ち寄り、同じ棚を観るとウクライナ戦争勃発後に出版された本が何冊か並んでいた。

去年の8月から今年の5月までの間に出版された本で、今度こそ、原発について言及しているだろうと調べてみたら、何とまたしてもそれら新刊本のどれも原発について書いてないのだ。

著者たちが無知なのか、あるいは、知っていながら書くことができないタブーなのか、私には判らないが、1年7カ月前と同じことを書かねばならない。

どんなに著名な著者であれ、原発に触れていない安全保障論などは机上の空論で信用してはならない。

2023年5月26日 記

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